国を治す医者

2019年12月7日 さくら新聞掲載 時は師走。きっと多くの人が1年の締めくくりに奔走し、1ヶ月後には新しい年の抱負を実行しているに違いない。そんな師走を繰り返して87歳になった頃、それぞれの人生の地図には誰がいて何が描かれているのだろう。 先日お会いした中澤弘先生は、群馬県生まれの御年87歳。ボルチモア近郊で鍼師をされている。歳を重ねてこんなシワができていたら幸せだなと思える、好々爺をそのまま絵にしたような優しさをたたえた笑顔だが、その目はとてもまっすぐだ。...

アメリカの秋を楽しむ

2019年11月2日付 さくら新聞掲載 10月は昼夜週末問わずのスケジュールで走り抜けた日々だった。新しい出会いがあり、毎週末、遠くは日本から来客があり、 まさに「朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや」とバタバタの中にも喜びに満ちた月だったように思う。...

インテリの憂鬱

2019年9月7日付 さくら新聞掲載 まだ8月半ばだというのに、DCでは枯葉が地面を舞うカサカサという音が聞こえ始めている。秋の気配は冬将軍の前触れ、枯葉はその前奏曲。マイナス15度の日もあるDCの冬はなかなか厳しい。そんな訳で、寒くなる前にと慌ててシェナンドアでのキャンプを決行。2時間半ほど車を走らせるだけで、山にしては起伏のない台地と谷間に緑がひたすら広がるバージニア州にたどり着く。道路も片側4レーンあるアメリカらしく、カヤックを漕ぐ川の川幅は広く、景色はひたすら圧倒的だ。...

夏の予感

2019年5月4日付 さくら新聞掲載 時は薫風の候。日本では新学期が始まったばかりでやっとクラスメートにも慣れた頃だが、アメリカでは6月後半からは早々に長い3か月の夏休みが始まる。さて何をして遊ぶか。...